配属希望の方へ

このページでは,学士特定課題研究(卒業論文),一般入試による修士課程・博士課程での研究室配属について説明します.国際大学院プログラム(IGP)や国費留学生での配属を希望される方は,英語版のページをご覧ください.

大学の研究室には様々な役割がありますが,そのうちの一つが「課題発見・解決型人材」の育成です. 社会に出ると,顧客(他人)が気づいていない未解決の課題を自ら発見し,その解決に向けた提案を行うことが求められます. 課題を解決するには,参考にすべき類似の課題や実践例を調査をしたうえで,課題解決に向けた計画を立案する必要があります. これらの活動は,先行研究を調査したうえで研究テーマを設定し,その解決法を模索する研究のプロセスに類似しています.

当研究室では,自然言語処理や人工知能,機械学習を専門分野として,課題の発見・解決に必要な知識・技術・経験を身につけてもらいたいと考えています. これには,他人の力を借りたり,他人を説得するために必要なコミュニケーション能力も含まれます. 研究を通して自分だけの「城」を築き,理論やモノを完成させ,他人にアピールする能力は,自然言語処理や人工知能の研究開発だけではなく,社会のどこでも役に立ちます.

世界には,関連する研究を進めている人がいるかもしれません.研究の過程でどんなに頑張ったとしても,他の研究者によって既に解決されていた課題に取り組んだ場合や,研究成果から新しい知見が得られなかった場合は,その研究には価値が無いと見なされてしまいます.卒業論文や修士論文に取り組む際にも,研究成果を国際会議やジャーナルで発表できることを目標とし,研究テーマの設定を行います.

研究室には様々な国籍,得意技,考え方,趣味を持った仲間がいます.社会に出る前に多様な考え方に触れ,世界の中での自分の立ち位置を知ることは,とても貴重な経験となります.各学生の個性を尊重しつつ,ときには切磋琢磨,ときには楽しく遊び,研究室に在籍したことが皆の財産となるように願っています.

研究室の活動

基礎勉強会

基礎勉強会

研究室に配属されると,自然言語処理の教科書をみんなで読みます.2020-2021年度の基礎勉強会では,黒橋,柴田著: 『自然言語処理概論』Jurafsky and Martin: “Speech and Language Processing”(SLP本)を採用しました.なお,SLP本の基礎勉強会は徳永研究室と合同開催です.

言語処理100本ノック

言語処理100本ノック

当研究室では,Pythonを標準言語として採用しています.他のプログラミング言語でも問題ありませんが,データ分析や深層学習のツールやライブラリが充実していますので,Pythonは様々な場面で役に立ちます.研究室に来るまでPythonを書いたことが無かったという学生も沢山いますので,新たに配属された学生向けに,言語処理100本ノックを解き,その解答をみんなでレビューする勉強会が用意されています.この勉強会も徳永研究室と合同開催です.

総合研究会

総合研究会

総合研究会は,各自の研究について情報交換や議論をしたり,研究を進める上で役立つ知識を共有するためのセミナー(原則として全員参加)です.総合研究会での発表を通して,研究発表や質疑応答のスキルを養います.

論文輪読

論文輪読

論文輪読は担当者が見つけた面白い研究を紹介するセミナー(原則として全員参加)です.興味深いと思う論文を選んで,その内容を著者の代わりになったつもりで発表する「論文紹介」,興味深いと思う研究の発表動画を紹介する「発表動画紹介」から構成されています.前者はプレゼンテーションの練習,後者は「よい」プレゼンテーションを鑑賞しながら,英語でのプレゼンテーションやディスカッションを磨くことを狙っています.

研究の進み方

研究の進み方

これまでに説明したセミナー/勉強会で自然言語処理の基礎を習得し,研究の興味の方向性が見えてきたら,夏休み前くらいまでに研究テーマを決めます.研究テーマは自由に決めることができますが,研究構想・計画をひとりで作り上げるのが難しい場合は,先輩や先生と相談しながら研究テーマを決めます.研究テーマが決まったら,メンターと2週間に1回くらいのペースで打ち合わせを行い,自分の研究を進めます.

論文発表

論文発表

冬は研究をまとめるシーズンです.研究室の多くのメンバーは,言語処理学会(1月中旬頃締切・3月中旬頃開催)に論文を投稿します.また,自然言語処理分野の国際会議の締切も冬にあります.これらの学会への論文投稿で研究にひと段落を付け,その成果をベースに卒業論文や修士論文(2月上旬締切)を提出し,学内の発表会(2月中旬ごろ)に臨みます.

研究環境

デスクスペース

デスクスペース

研究室のメンバーに,個別のデスクスペース,ノートパソコン,大型モニターを提供しています.また,書籍やソフトウェア,学会やセミナーへの参加など,研究遂行に必要なものであれば,研究室から費用補助があります.

計算環境

計算環境

2021年4月現在,研究室は4台の計算サーバ(全部で162コア,448GBメモリ,14GPU)と,ファイルサーバ(66TB)を保有しています.また,GPUを用いた大規模な実験を行うときは,TSUBAME 3.0AI橋渡しクラウド(ABCI)を利用しています.

esa.ioによる情報共有

esa.ioによる情報共有

研究ノートやお役立ち情報をesaというサービスで共有することにしています.Markdown形式で書けるので,先輩や先生との相談も,スライドを作ることなく,スムーズに進みます.(教育機関向けの無償提供,ありがとうございます!)

Slackによるコミュニケーション

Slackによるコミュニケーション

ビジネス向けチャットツールとして人気の高いSlackを利用しています。ちょっとした質問,雑談、情報交換など、様々な場面で活用しています。(教育機関向けの割引,ありがとうございます!)

Grammarlyによる英語添削

Grammarlyによる英語添削

国際会議論文を投稿するときに苦労するのが英語のライティングです.当研究室では,メンバー全員に,自動英文校正サービスであるGrammarlyのライセンスを提供しています.

スケジュール

スケジュール

研究室には定時やコアタイムというものはありません.基本的に,好きな時に来て,好きな時に帰ることができます.もちろん土日・祝日は休みですし,先輩や教員が帰るまで帰れない,みたいな話もありません.アルバイトやサークルがあるから早く帰るというのも,全く問題ありません.研究会や勉強会,メンターとの打ち合わせなどは,事前に参加者間で都合のよい日時を調整します.ただし,研究室に来ないと研究が進まなくなる傾向がありますので,できるだけ研究室に来ることを推奨しています.

生活環境

生活環境

空気清浄機,加湿器,サーキュレータ,ホワイトボード,冷蔵庫,こたつなど,健康で快適な研究生活の環境作りを大切にしています.また,研究室にはお茶やお菓子,冷凍食品などを格安で販売する商店が運営されています.論文の締め切りで忙しくなる時期には,大変重宝します.

新型コロナウィルス対策

新型コロナウィルス対策

COVID-19の感染拡大を抑制するため,当研究室では2020年2月中旬からすべてのセミナーを遠隔会議システムによる参加可としました.2020年4月以降,来学が禁止される時期もありましたが,2021年4月現在は学生の来学も認められています.幸いなことに,我々の研究は場所を問わず進めることができますし,COVID-19が流行する前からSlack, esa, zoomなどのサービスを活用してきました.今後も,在宅勤務や遠隔会議を活用し,COVID-19に負けることなく研究を続けていきます.

達成目標

当研究室に配属された学生が達成すると期待される目標は以下の通りです. 目標は人それぞれですし,すべてが必須という訳ではありません.

卒業研究

  • 基礎的な知識やスキルを身につける
  • 関連する研究の論文を読み,自分で追試ができるくらいまで理解する
  • 自分の研究テーマについて,その意義や実験方法について自分の言葉で説明・議論できる
  • メンターとの定期的な打ち合わせを通して,実験を自分で進め,その結果について議論できる
  • 卒業研究の成果を論文として文章にまとめることができる
  • 卒業研究の内容をプレゼンできる
  • 卒業研究の内容を国内学会で発表する

修士課程

卒業研究の目標に加えて,以下を達成できるとよいでしょう.

  • 研究テーマに関連する論文を自分で見つけて,研究動向を把握できる
  • 研究テーマにアプローチするための合理的で新しい方法を,自ら提案することができる
  • 卒業論文や修士課程の研究の内容を英語の論文にまとめて,国際会議やジャーナル論文などで発表する

博士課程

卒業研究と修士課程の目標に加えて,以下の目標を達成するように心がけてください. 学生のメンターを担当することで,自分の研究や論文を客観的に見る力がつきますので,当研究室ではそのような活動を推奨しています.

  • 自分の研究テーマに関連が深い研究分野については,世界において第一人者になる
  • 自分の研究分野の最新動向を踏まえながら,面白い研究テーマを自分で見つけて,自ら研究を進めることができる
  • 国際会議や国際ジャーナルなどで自分の研究を何度か発表する
  • 後輩の学生のメンターとして,研究テーマや提案手法について議論をしたり,論文執筆やプレゼンの助言ができる

卒業生の主な就職先

研究室によって就職先が限定されることはありません.学生がどの業種の企業を志望するかによって,就職先は様々です.ご参考までに,これまでの卒業生の就職先を50音順で掲載します.

  • グーグル (Google)
  • サイオステクノロジー
  • Cygames
  • ディー・エヌ・エー (DeNA)
  • 大和証券
  • 日鉄ソリューションズ
  • 日本アイ・ビー・エム (IBM)
  • 日本総合研究所
  • 日本電気 (NEC)
  • 日本電信電話 (NTT)
  • 日立製作所
  • Preferred Networks (PFN)
  • 楽天技術研究所
  • ヤフー

よくある質問

アルバイトはできますか?

アルバイトやサークルなど,若いときにしか経験できないことは沢山あります.研究室の予定は,参加者の都合のよい時間帯を民主的に決めますので,心配はいりません.また,ティーチング・アシスタント (TA) やリサーチ・アシスタント (RA) など研究室内でアルバイトをすることも可能ですので,相談してください.

インターンに行くことはできますか?

卒業・修了を脅かさない程度であれば,インターンで企業の営みを体験しつつ,自分の力を試すというのは,とても良い経験になると思います. 受け入れ先の企業に「インターンに来てもらってよかった」とか「卒業したらうちの会社に来てください」と言われるように,頑張ってきてください.また,インターン先を岡崎が紹介することもできます.

留学できますか?

社会人になってしまうと,海外に長期間滞在する機会が減ってしまいます. 大学には留学をサポートしてくれる様々なプログラム・奨学金がありますので,うまく活用してください.

研究室に入るためにやるべき勉強はありますか?

ありません.知的好奇心旺盛で,何事にも前向きに取り組めるのであれば大丈夫です.

研究室に配属されるために事前の承諾は必要ですか?

研究室に配属されるために指導教員(岡崎)の事前の承諾が必要かどうかは,研究室配属時の身分・プログラムによって異なります.

  • 学士特定課題研究(卒業論文): 事前の承諾は不要です.
  • 修士課程(博士前期課程)
    • 大学院一般入試による入学の場合: 事前の承諾は不要です.
    • 国際大学院プログラム(IGP)や国費留学生制度による入学の場合: 事前の承諾が必要ですので,英語版のページをご覧いただき,お問い合わせください.
  • 博士課程(博士後期課程): 事前の承諾が必要です.希望される場合は,info (at) nlp.c.titech.ac.jpまでお問い合わせください.

大学院一般入試での配属を目指している方から自己紹介のメールが頂くことがありますが,そのようなメールには一切返信いたしませんので,予めご了承ください.なお,指導教員の事前承諾が不要だとしても,(当研究室に限らず)研究室を事前に見学しておくことは肝要かと思います.

研究室を見学できますか?

研究室見学を希望される場合はinfo (at) nlp.c.titech.ac.jpまでご連絡ください.ただし,見学希望が集中する時期(毎年2月から6月頃まで)は,情報理工学院主催の大学院説明会に併せて,研究室見学会を開催します.

志望理由書には何を書けばよいですか?

「入学後の研究計画に何を書けばよいか?」「書いた研究計画を見てもらえないか?」といった問い合わせがありますが,公平性の観点から,大学院試験の出願書類に関する質問には一切お答えできません.

研究室では留学生を受け入れていますか?

受け入れています.「留学生を受け入れていますか?」との問い合わせメールには返信いたしませんので,予めご了承ください.ただし,国際大学院プログラム(IGP)や国費留学生制度による入学の場合は事前の承諾が必要ですので,英語版のページをご覧になったうえで,お問い合わせください.