研究

岡崎研究室は,自然言語処理,すなわち言葉を操るコンピュータの研究を中心に,人工知能の実現を目指しています. 例えば,外国語の文章を翻訳する,相手と対話する,質問に答える,状況を説明する,といった知的なコミュニケーションをコンピュータ上で実現するための原理や方法を探求しています. 言語学,統計学,機械学習などの基礎を踏まえながら,深層学習などの最先端のアプローチも積極的に取り入れています. さらに,ビッグデータ解析による社会観測など,研究成果の実社会での応用も展開しています.

ここでは,当研究室で取り組んでいる研究テーマをいくつか紹介します(このページに掲載されていない研究テーマもありますし,新しい研究テーマに挑戦することもできます).

研究テーマ例

要約 / 言語生成

人間とコンピュータがコミュニケーションする手段はいくつかありますが,その中でも「ことば」は効率のよい情報伝達手段です. 当研究室では,与えられた文書を端的にまとめる自動要約・見出し生成の研究や,人間にとって魅力的な文章を生成するための研究などを進めています. (Takase et al., 2019) (Matsumaru et al., 2020)

機械翻訳

ある言語の文章をコンピュータが自動的に別の言語に翻訳する機械翻訳は,自然言語処理で最も身近なアプリケーションのひとつです. 当研究室では,文法的な構造を考慮したニューラル機械翻訳モデルや,複数の文が与えられた時に整合性の取れた翻訳を行うための研究などを進めています. (Shimazu et al., 2020) (Bugliarello et al., 2020)

感情分析 / 意見分析

ソーシャルメディアの投稿から人々の意見を分析する研究には、難題があります。 それは、人間が持つ常識的な知識です。 例えば、「自由貿易を促進する必要がある」という発言の主はは,「TPP」に賛成であると予想できます。 このような推論を行うには、「TPP」と「自由貿易」の関連性の認識が欠かせません。 このような常識的な知識をコンピュータが自動的に獲得しつつ、人々の意見を正確に認識・集約する研究に取り組んでいます。 (Sasaki et al., 2017) (Sasaki et al., 2018) (Hanawa et al., 2019)

実社会での応用

SNSの投稿などのビッグデータから世論を分析したり,文章を自動的に生成・校正するなど,言語処理技術には様々な応用があります. 当研究室では,ビッグデータ解析による社会観測など,研究成果の実社会での応用も展開しています.

朝日新聞2013年3月13日朝刊2面「震災ツイート昨年より2割増」,朝日新聞2013年7月3日朝刊6面「611万 もう一つの民意」,朝日新聞2013年7月26日朝刊9面「つながる力 次こそ真価」など.朝日新聞社に無断で転載することを禁じる(承諾番号17-6975).

表現学習

単語や文の意味をコンピュータ上でどのように表現すればよいか? これは,自然言語処理の長年の未解決問題のひとつです.近年では,深層学習を自然言語処理に取り入れて,大規模言語データから単語の意味を表現するベクトルを学習したり,単語の意味ベクトルから文の意味ベクトルを合成することが可能になりました.

意味解析 / 文脈理解

コンピュータが人間と対話したり,人間の指示を理解するには,発話中の表現をカテゴリ(人名や場所名など)に分けたり,その表現が指している実体を既存のデータベース(Wikipediaなど)に対応づける必要があります. また,自然言語の表現を画像中の物体や動きに対応づけることで,自然言語と画像の相互にシーンを理解することができます.

情報抽出 / 知識獲得

「たばこ」が「肺がん」を引き起こすなど,人間は常識的知識を活用しながら言葉の意味を理解し,コミュニケーションをしています.このような常識的な知識をコンピュータに身につけさせるため,ウェブ,Wikipedia,SNS投稿などのデータから知識を自動的に獲得する方法を探求しています.

研究助成

当研究室の活動において,以下のご支援を賜りました(奨学寄附金は掲載しておりません).

国や研究機関の競争的資金制度

  • 文科省科研費 若手研究(代表: 高瀬 翔): 2021年4月~
  • 文科省科研費 特別研究員奨励費(代表: 丹羽 彩奈): 2021年4月~2023年3月
  • 科学技術研究機構 ACT-X(代表: 高瀬 翔): 2020年10月~2023年3月
  • NEDO委託研究(分担: 岡崎 直観): 2019年6月~2024年3月
  • 文科省科研費 基盤研究A(代表: 岡崎 直観): 2019年4月~2024年3月
  • NICT委託研究(代表: 岡崎 直観): 2018年6月~2021年3月
  • 文科省科研費 若手研究A(代表: 高瀬 翔): 2018年10月~2021年3月
  • 産総研・東工大 実社会ビッグデータ活用 オープンイノベーションラボラトリ(分担: 岡崎 直観): 2018年4月~2022年3月
  • 文科省科研費 基盤研究A(分担: 岡崎 直観): 2017年8月~2019年3月
  • 文科省科研費 若手研究A(代表: 岡崎 直観): 2017年8月~2018年3月

企業との共同研究

  • NEC Laboratories Europe GmbH
  • 株式会社デンソー
  • 株式会社サイバーエージェント
  • ソフトバンクグループ株式会社
  • 住友電工情報システム株式会社

企業との学術指導

  • 株式会社日立製作所
  • 株式会社リコー

産学連携の制度について

産学連携の制度をご紹介いたします.ご検討される場合は,制度の内容や手続きについてご案内いたしますので,教員までお気軽にご相談ください.

共同研究

共同研究は,特定の研究課題について,研究室の教員と企業の研究者とで研究を行い,併せて研究成果を得る制度です.研究に必要な経費は,企業にご負担いただきます.企業の研究者を研究室に派遣し,研究を進めることもできます(民間等共同研究員).研究内容や体制によって必要な経費が変わりますが,研究経費の目安(1年あたり・直接経費)は以下の通りです.

  • 企業側が主として研究を進める想定: 100万円~
  • 研究室側が主として研究を進める想定: 200万円~

学術指導

学術指導は,企業が抱える特定の課題について,本研究室の教員が,自身が有する知見や技術を用いて,指導やアドバイスを行う制度です.(企業の課題を,本学の教員の研究課題とするのではありません).1回あたり2時間の打ち合わせを12回実施する場合,学術指導料の目安は120万円(直接経費)となります.

兼業

東工大の教員に技術顧問や取締役への就任,会社やセミナー等での講演や講義を依頼することもできます.学術指導と重なる部分がありますが,大学を介さずに会社と教員との直接の契約・雇用関係を結ぶことになりますので,会社側の裁量が大きくなる点が特徴です.

奨学寄附金

奨学寄附金は,企業や団体,個人などから,本研究室の担当者(教員や研究員等)を指定して寄附していただく制度です.ご寄附いただいた奨学寄附金は,研究室の教育・研究の奨励等を目的に使用され,その成果を通じ広く社会に還元されます.